原始仏教とは

 現在の日本で使われているお経は、ほぼすべてお釈迦様=ブッダ自身の教えではない。ブッダの弟子の教えである。また漢文で書かれていることや仏教用語が意味不明なこともあり、お経を読んでもブッダの教えを理解することは通常できない。お坊さんが読経しているのを聞いていても意味が分からなく、葬式等で長時間聞くことは苦痛を伴うことが多い。

 元々ブッダはわかりやすい言葉で人々に話しかけていたはずである。ただ直接には残ってはいなく、弟子が口伝で伝えたものを、死後数百年たち記録する必要に迫られ、現地のパーリ語やサンスクリット語などで書き留められ、その一部が現在まで残ることになった。1) さらにそこから漢訳されたものが、阿含経と呼ばれる。日本の大きな宗派でこの教えを大々的に教えているところはない。読まれるお経はすべて弟子が書いたものである。最近パーリ語から直接日本語に訳し、仏教用語も省き何の基礎知識がなくとも理解できるように書かれた本がいろいろと出版されるようになった。読めば直接ブッダの教えに触れることができる。

 阿含経の教え=原始仏教と考えてよいが、阿含経の中にもたくさんの経典がある。その中でもスッパニパータとダンマパダが特にわかりやすく、シンプルでこころにしみるものが多い。この2つを中心に今後解説していく。これらの教えは宗教と言うより、哲学と考えた方がしっくりくる。文献を記載したあとに、下におすすめの本を記載していく。おすすめの本は今後とも紹介していく予定。

 

文献1)バウッダ「佛教」 中村元 三枝充恵 講談社学術文庫

 

1. 反応しない練習 草薙龍瞬 KADOKAWA

 仏教に関して私に新しい視点を与え、原始仏教を学び直すきっかけとなった。具体的にいいと思ったところは①生きるには苦しみが伴うが取り除く方法がある 苦しみをもたらすのは求める心である。これまで仏教の本を読んで当たり前と思われたことだが、この人のことばでは何故か新鮮。③良い悪い、好き嫌いを判断しない これはスッパニパータで出てくる言葉だが、なこの本を読むまであまり意識できなかった。この本の個人的に今ひとつと思っているところは、①一応原典が書いてあるが詳細でなく、原典にあたりにくい。②正しく競争するという項目があるが、経典のどこから持ってきたのか私には分からない。

 

2.超訳 ブッダの言葉 小池龍之介 ディスカヴァー

 ブッダの言いたいことを簡潔にわかりやすく提示している。個人的には一番目を通す本。一言一言が身にしみる。ただ時に訳が砕けすぎている。文庫のエッセンシャル版で十分だが、ハードカバー版の「ブッダの生涯 超 ダイジェスト版」は一読の価値ある。

 

3.超訳 仏陀の言葉 白取春彦 幻冬舎

熱量は大きい。取りあげた経典は日本語訳が文庫で出ているものに限られる。この本も原典との隔たりが時に大きいと思われる。


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