仏教で救われたこと
私は仏教を宗教ではなく、哲学として捉えている。自身がうつに近い状態が長く続き、なかなか這い上がれなかったとき、①他人がどのようなことをしても自分の心が、自分に対してなすことよりはひどくない。自分こそが自分を苦しめている。②比較することは意味が無い。という言葉に出会った。この2つがわたしにとって救いになった。1は感興のことば31章やダンマパダ3章、2はスッパニパータ第4章にある。白鳥春彦の超訳仏陀の言葉から、①は自分を責めてはいけないというふうに考えていた。(後に原典に当たり、よこしまな考えは自分に対してひどいことをするという意味であることを知った。)うつ状態になるのは他人の振る舞いからではなく自分が自分を責めるからだ。と当たり前とも言えることに気づき、自分を許すことができた。②はスッパニパータで何回もでてくる。ブッダの教えは幅が広い解釈が可能と言えるのかもしれない。
ダンマパダはいわゆる道徳的なことがらが多く、それほど好きではない。個人的にはスッパニパータの方が好きである。前谷彰の素敵な訳もある。この二つ以外の経典はなかなか簡単にアクセスできず敷居が高い。今後時間を見つけて少しずつ読んでいきたい。龍之介氏の超訳も手放せない。
参考図書
ブッダのことば 中村元訳 岩波文庫 3回目の推薦
ブッダ真理のことば 感興のことば 中村元訳 岩波文庫 2回目の推薦
古く読みにくいが、内容の良さ、詳しさから初めに入手するとよいと考えます。
ブッダの教え~真訳・スッパニパータ 前谷彰訳 講談社 3回目の推薦
個人的にはおすすめです。三人と協同で訳すようになったいきさつが素晴らしく、ある意味奇跡の書と思っています。
新編 スッパニパータ 今枝由郎訳 トランスビュー 3回目の推薦
読みやすい、スッパニパータの概略をつかむのによい。出家信者の為だけの教えや細かな哲学論議を省き、3/4が割愛されているが、やや省きすぎと思います
超訳
超訳 ブッダの言葉 小池龍之介 ディスカヴァー 2回目の推薦
ブッダの言いたいことを簡潔にわかりやすく提示している。ただ時に訳が砕けすぎている。
超訳 仏陀の言葉 白取春彦 幻冬舎 2回目の推薦
熱量は大きい。取りあげた経典は日本語訳が文庫で出ているものに限られる。この本も原典との隔たりが時に大きいように思う。
コメント
コメントを投稿