心理療法ー交流分析1ー交流分析とは何か Ver.2

 心理療法-交流分析-交流分析と何か

  交流分析(Transactional AnalysisTA)とは、人と人の間で行われる交流を分析することで自分自身の人間理解を深め自立的な生き方を可能とし人と本当の交流が出来るようになることをめざすものです。精神科医エリック・バーンが始めました。

 TAに基本的な姿勢 1)人は誰でもOKである2)人は誰でも考える能力を持っている3)自分の人生は自分が決める。故に自分で変えたいと思えば変えることができる

#4つの分析  人間のこころには親心、おとな心、子ども心があり(構造分析)、人とつきあうときにはこの3つのこころを状況により出し入れすることが大切である(やりとり分析)と考えます。又、不快な結末に終わるやりとりがパターン化して何度も繰り返されるものをゲーム(ゲーム分析)と呼び、さらに幼い頃に親子の交流を通して自分が下したひとりよがりの結論から、このように生きなければならないという行動パターン(人生脚本)に縛られて自らを失敗に追い込んでしまうことがあることを問題とします。

#ストローク  相手の存在や価値を認める様々の刺激のことを「ストローク」と呼びます。このストロークを得るために人は交流すると考えます。ストロークには肯定的でなく否定的なものもあります。肯定的なストロークが不足すると否定的でもよいからストロークを要求するようになります。

#人生の立場 (私はOK(でない) あなたはOK(でない)) 私と周りの人を「自他肯定 自己肯定他者否定 自己否定他者肯定 自他否定の4つに分類することができますが、子供時代に自分の立場としてそのうちの一つを選んでおり、その立場が様々な影響を与えると考えます。

ストロークや人生の立場を考慮しながら4つの分析をしていくのが交流分析です。

私が考える交流分析が自習しにくい理由をあげておきます
1専門用語が多く、ラケットやゲームと言った俗語が多いが、その概念がつかみにくい
   2初期から様々の人の考えを取り入れて枠組みができあがっていった。何が正式なのかわかりにくいところがある。また日本語訳のバーンの著作は、読んでいて意味がとりにくい。
  3アメリカでは治療技法を基に3つの学派に分かれている。たぶん古典派と再決断派が有力なのであろう。日本も学会や協会など様々の組織がある。どの考え方を学ぶのがよいのかわかりにくい。

 推薦図書
訳本 TA TODAY 第2版 実務教育出版社 原著は’12年 
 ’22年にようやく訳本がでました。どのようにTA理論ができあがったのかわかります。現 在の標準的なTAを示す本です。最もおすすめです。値段が高いのが難点

交流分析に基づくカウンセリング 倉成宣佳 ミネルヴァ書房 2015 
  初めとっつきにくいと思いましたが、理解を深めてから読むと理解しやすい本であることがわかりました。日本人が書いた本としては一番まとまっていると思います。

自分の人生を変える交流分析 繁田千恵 風間書房 2021 
 自身の体験も書かれているが、TA全体がコンパクトにまとめられている。また日本における歴史が書かれていて、現在の状況の意味が分かる

杉田峰康さん(長いこと交流分析の第一人者で著作が多い)の本
 交流分析のすすめ 日本文化化学社 ’90初めに読むのによい本 
 TA ゲシュタルト療法の試み 新しい交流分析の実際  創元社 ’00 
 杉田さんのなかではかなり新しい方。ゲシュタルト療法に詳しい そこに至る流れもわ かりやすい。

ギスギスした人間関係をまーるくする心理学 エリック・バーンのTA 安部朋子 西日本出  版社 2008 読みやすい。この本もすこし基礎知識を得てから読んだ方がよい

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